1日目(2/18)の13時半から、5つの「テーマ別実践交流会」と2つの「特別交流会」を開催する予定です。

 

テーマ別実践交流会

第1交流会「就労と仕事起こし」

【趣旨】

ひきこもる若者達の就労をどうとらえるべきか。いわゆる一般企業への適応を図る一般就労として、保護的雇用として、あるいは過渡的雇用として、さらにまだ我が国には存在しない社会的企業として、等々様々な捉えかたがあろう。

 この分科会では、いわゆる就労支援としても一般企業への適応のみを議論するものではない。彼らが魅力的に働くことが可能となる仕事起こしについて議論を深めたい。東京三鷹にあるNPO法人文化学習ネットワークでは、自身が製造販売するパンの材料をひきこもる若者達が土や自然と向き合うなかで創りだしている。また、その過程を通して地域と関わり、地域を創りだしている。韓国では、音楽を通して社会に参加する若者達がYooja Salonに集っている。

 起業、そこにあるのは、無限の地域生活の可能性への挑戦である。

【コーディネーター】立命館大学大学院院生(山本耕平研究室)

【助言者】高崎大介さん:(コネクションズおおさか)大阪府http://www.connections-osaka.com/

【報告者】

Akii(李忠韓)さん(Yooja Salon)

土井善子さん(レストラン思風都)

藤井智さん(NPO法人文化学習協同ネットワーク)東京都http://www.npobunka.net/

 

第2交流会「不登校からひきこもりにつながらない支援のあり方」

【趣旨】

中学校、高等学校における不登校生徒への支援は、公的には学校の相談機能を充実させたり適応指導教室を拡充したりすることによって行われています。また民間のレベルでも親の会や各種NPO組織によって行われています。しかしそれらの支援はほとんどの場合、不登校を解消することだけに限定されていたり、あるいは不登校に付随して生ずる心の問題を解決するための支援にとどまっています。もちろんそうした支援の重要であることは言うまでもありませんし、必死の努力にも関わらず十分とは言えない現状がありますから、不登校問題を解決するための努力はいっそう必要になっています。

一方、不登校問題が長期に続く中で、かつての不登校経験者の学校卒業後の生活が問題になっています。つまり学校は卒業できたが進路が未定である、あるいは就職したが続かない、不登校となった原因が根本的に解決されず引きこもりになっている、等々が大きな問題になっています。

様々な支援を得て、中学校は卒業できた、あるいは高校は卒業できた、しかし学校を出た後には何の支援もないという「放り出された」状態があり、そこから引きこもりに移っていくというケースが見られます。

以上の現状認識を踏まえ、この交流会では、以下2点について実践を出し合い、学校卒業後に、とまどうことなくスムーズに次のステップに前進できるような支援はどうあるべきかを検討します。

(1)中学校および高等学校における不登校生徒への支援(学校内外)、とりわけ卒業後も視野に入れた支援の経験を交流しあい、あるべき姿を探る。

(2)不登校のまま、あるいは不登校を経験しつつも中学・高校を卒業した(終了した)生徒、とりわけ様々な困難をかかえ、次のステップへ進みえないでいる若者への支援のあり方を考える。とりわけ学校卒業後に「支援なし」の空白の時期を作らないような若者支援の組織、あるいは居場所等の役割とその連携のあり方を探る。

【コーディネーター】

梶 俊之氏(NPO法人こころとまなびどっとこむ)愛知県http://www.f-kokorotomanabi.com/

         小山 睦男氏(不登校兵庫県連絡会)兵庫県

【助言者】石井守さん(社会福祉法人つむぎ福祉会)大阪府http://www.tsumugigroup.net/

【報告者】

杉山晋平さん(福井大学)福井県http://www.u-fukui.ac.jp/

後藤佳代さん(屋久島おおぞら高等学校・KTC総合教育研究所)

竹安今日子さん(兵庫教育大学NANAっくす活動室)兵庫県http://www.office.hyogo-u.ac.jp/nanacs/

樋口一哉さん(兵庫県立神出学園)http://www.kande-gakuen.jp/

 

第3交流会「ひきこもりと家族支援」

【趣旨】

 家族支援がひきこもり支援の中核的な役割を担っているといっても過言ではない。ひきこもりという状態の困難から、ひきこもる当事者が自ら支援を求めて来談することは極めて少なく、家族を通しての家族支援から始まることが多い。ひきこもりの家族支援として、家族相談、家族交流会、親ガイダンス、訪問支援など、支援方法は多岐にわたり、それぞれ有効な支援方法である。これまでの研究から、子どもがひきこもり状態にある家族は、精神的健康度や家族機能の柔軟性が低下しているなどの報告されている。また、当事者が治療や支援の場に参加しても、家族支援は継続され、展開していく。

ひきこもり支援者にとって、家族支援の重要性は共通認識であると考えられる。しかしながら、「家族支援」が意味するものは支援機関・支援者によって活動内容も異なっている。同じ用語であっても目的やあり方が異なっているのではないだろうか。家族支援の方法に優劣が存在しているわけではなく、いずれの支援も家族を支える一側面を担っている。家族支援の発展には、各々の施設の独自の取り組みを支援者が共有することにより、さらに有効な支援へと繋がると思われる。

本交流会では、それぞれの支援者により、具体的・実践的支援の報告して頂く。各支援施設が行っている家族支援の目的や知恵を共有し、交流会に参加される皆様とともに、有効な支援方法の議論を深めていきたい。

【コーディネーター】

         岡崎 剛さん(東大阪若者サポートステーション)大阪府http://www.tsumugigroup.net/yss.html

         紀 有文さん(NPO法人みやすの鐘)兵庫県

【助言者】境泉洋さん(徳島大学)徳島県

【報告者】

(1)居場所での家族支援の観点から‐石田貴祐さん(NPO法人淡路プラッツ)大阪府http://www4.ocn.ne.jp/~awjplatz/

(2)家族を対象としたアウトリーチの観点から‐南芳樹さん(南紀若者サポートステーション) 和歌山県http://www.nanki-saposute.jp/index.html

東龍太郎さん(姫路市保健所)兵庫県http://www.city.himeji.lg.jp/hokensho/

 

第4交流会「フリースペースと若者支援」

【趣旨】

 昨年「子ども・若者育成支援推進法」が施行され、国としても次世代を担う若者たちが育ちづらい今の環境を、「なんとかしなければ」という責務を表明している。ある程度、〝ひきこもり〟とよばれる状況にも、世間の理解はすすんでいると捉えられる。

 しかし、「子ども・若者育成支援推進法」の中では、〝居場所〟というものについて全く触れられていない。「ひきこもる若者自身がまず何を求めているのか」の理解がまだ行き届いていないのだろう。

 居場所とは何か」を一言で説明するのは難しい。教育の場でもない、訓練の場でもない、就労支援の場でもない。しかし、個々にそれぞれ思いを持った若者の集団により成り立っているからには、それらと無関係には語れない。〝社会〟に疲れた若者が再び〝ひと〟の中で〝元気〟を蓄える場といった基本的な事柄、その兼ね合いに課題を抱えつつ進んでいるのが居場所であるからだろう。

居場所というものを、わざわざ作らなければならない世の中のあり方にも問題があると思われるが、居場所を求める若者たちがいる以上、必要に駆られる者から始めていかなければならない。居場所で仲間を得て、元気を取り戻し、次への一歩を進めていく若者の姿があることからも明らかである。

 しかし、居場所における支援だけでは、ひきこもる若者たちが望む社会参加の実現は難しい。ひきこもり支援は「役割の理解と分担、その連携が必要」と言われているが、それには官民の課題を丁寧に乗り越え、つながりを持つ必要がある。

 この交流会では、〝何かの都合〟ではない、本当の意味で若者が自らの望みを実現していける支援、居場所のあり方を話し合っていきたい。

【コーディネーター】

 大巻 智子さん(NPO法人神戸オレンジの会)兵庫県http://www.kobe111.jp/

 鴻原 崇之さん(NPO法人エルシティオ)和歌山県

【助言者】水野篤夫さん(京都市ユースサービス協会)http://ys-kyoto.org/

【報告者】

(1)松岡裕子さん、森橋美穂さん、野中康寛さん(麦の郷 紀の川・岩出生活支援センター 創-HAJIME-)和歌山県

(2)伊藤朗さん(NPO法人支えてねットワーク)山口県

(3)田中敦さん(レターポストフレンド相談ネットワーク)北海道http://www7a.biglobe.ne.jp/~retapost/

 

第5交流会「こころの問題とひきこもり支援」

        【趣旨】

 ひきこもりは、社会参加が困難な状態を意味する言葉で、必ずしも精神障害・精神疾患とは限らないのですが、その背景には、うつ病、統合失調症、パニック障害、SAD(社会恐怖症)が隠れていることもあります。こうした疾患にかかることで、恐怖感や不安感が非常に強くなり、人と接することに抵抗を感じたり、症状のせいで身体を動かすことができなくなり、ひきこもりになってしまう人もいます。ひきこもりは、現行の精神保健福祉法や障害者自立支援法の対象から外されてきました。この為、「いきづらさ」という共通点があるにもかかわらず支援政策の対象外とされてきたのです。現在、国は、「障がい者総合福祉法」(仮称)を検討しています。すべてがすべて精神疾患が背景にあるわけではないひきこもりも、この法の対象とする「いきづらさ」という点では共通点を持ちます。

 この分科会では、保健所や精神保健福祉センター、さらに地域活動支援センターでひきこもり事例と向き合い、彼らの日常生活を支援する実践者から報告を頂き、この「いきづらさ」への支援を、歴史のある精神障害者支援との関係で考えます。ただし、今日の社会への適応がまず必要と考える考えには立ちません。もし、その考えに立つと、いきづらさを感じる社会への無理な適応を強要することになりかねないからです。しかし、あなたは、今のあなたのままでいいとも考えません。そこには、いきづらさを感じる本人が存在し、彼が自身をなんとか変えたいと思っているからです。

 若者達の新たな学び方や新たな働き方を模索し、その支援を可能とする法や政策、実践がどうあるべきか共に考えましょう。

【コーディネーター】松岡信一郎さん(和歌山市保健所)和歌山県

【助言者】山本耕平さん(立命館大学)

【報告者】松岡信一郎さん(和歌山市保健所)

          藤支有理さん(滋賀県精神保健福祉センター)

      安藤佳珠子さん(立命館大学)

 

特別交流会

 第6回の岐阜では2日目午前にワーカー養成セミナーと並行して家族会を行いましたが、今回は1日目の午後にテーマ別実践交流会と並行して、家族会とあらたに当事者会の2つを開催する予定です。

家族会

【趣旨】

ひきこもり状態の家族を持つ「親の会」や「家族会」は、同じ悩みを持つ家族が相互の経験について交流したり学習したりする場として大きな役割があります。さらに、そのなかで、当事者はもとより親たち自身も、孤立感から抜け出し、社会とつながり、自らの人生を踏み出していくエネルギーを引き出すことができるようになります。

このような会は、当事者の親たちが主体となって運営している場合や、公的機関や支援機関が開設している場合などがありますが、運営母体や設立経緯の違いはあっても、それぞれが特徴を生かしながら運営されています。そして、支援者や支援機関にとっても社会資源として大きな存在になりつつあります。

しかし、登校拒否・不登校のそれと比べて会の数自体も少なく、登校拒否・不登校の親の会が、教師、専門家たちと手を携えて課題に取り組んできた経過と比較して、まだまだひきこもりの「親の会」や「家族会」と支援者や支援機関の関係はお互いに成熟した関係にはなっていません。

この実践交流会においては、当事者、家族、支援者、支援機関等の連携について、試行錯誤を重ねてきましたが、今回は、第1日目の問題別分科会と並行して、家族交流会を持つことになりました。

「親の会」や「家族会」をきちんと実践交流会の中で位置付けて、支援者や支援機関とどうかかわっていくかを考えていくこともこの家族交流会の大きなテーマのひとつであると考えています。さらに広域ブロックの連絡会(たとえば関東ブロック、近畿ブロックなど)についても検討していきましょう。

 全国の「親の会」や「家族会」に参加されている皆さん、またこれから「親の会」や「家族会」を立ち上げようと考えておられる皆さん。この家族交流会でお互いの経験を交流しながら、これからのあり方について話し合いましょう。

【コーディネーター】古庄 健さん(東大阪若者サポートステーション)大阪府http://www.tsumugigroup.net/yss.html

 中島 薫子さん(ふくろうの会)兵庫県

 

当事者会

 【趣旨】
今回の第7回では、支援者交流会初の試みとして当事者の特別交流会を開催します。
前回の岐阜大会で、当事者の方から当事者会をしてはどうかとの声があり、実行委員会で協議した結果、1日目午後の支援者交流会や家族の特別交流会と並行して当事者の特別交流会を開催します。

「ひきこもり(問題)」という言葉が聞かれるようになって、10年ほどが経ち、医療や教育、専門の支援機関などで研究されてきましたが、原因も対策もはっきりしていません。
そもそも「ひきこもり」とは何なのか?「自立」とは?私たちは何を求めどこへ向かうのか?

当事者の声が求められようとしています。
1部の支援機関において、当事者から体験を発表してもらったり、動けるようになった当事者に出てきたばかりの当事者の世話をしてもらったり、当事者同士で傷ついた心をいやす自助グループなども始まっています。

また各地で、当事者の会が立ち上がりつつあります。
当事者会に参加されている方々は、活動紹介などを発表してください。
そして当事者の会や法人を立ち上げようとしている方々が交流しその後押しになる事を願っています。

【コーディネーター】森下徹さん(NPO法人グローバル・シップスこうべ)http://www.global-ships.net/

【助言者】池上正樹さん(ジャーナリスト)

 

全国から参加された当事者の皆さま、当事者同士で交流しませんか?

*内容:自己紹介とグループ紹介、交流、フリートークなど

*対象:ひきこもりの当事者・経験者の方

                      支援者の方はご遠慮ください。(経験者の方で現在支援をしている方はOKです)

※ご注意:団体個人名をあげての誹謗中傷はご遠慮ください

 

 

 

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